東京

ちゅらさん」を久しぶりに見て、この台詞は好きだなと改めて思った。
「東京を嫌な街にしたのは、あんたたちみたいな人よ。東京に暮らしていながら、東京を好きになろうとしない、愛そうとしない。どうせいつかは出て行くんだ、それまで我慢しているだけだ。そんな人たちばっかりの街はねぇ、いい街になる訳無い。私はねぇ、そうゆう人たちに東京にいて欲しくない。東京に対して失礼よ。」
実は、かなり前、同じようなことを言ったことがあるんです。東京以外のところから、「東京」という街に、「憧れ」や「夢」、「成功」を求めて来るのは良いが、「東京はこうだ」というある種の偏見が、東京をおかしくしているように思うし、夢破れて東京を離れると、「東京は人の住む街じゃない」、「人は冷たい」、「やっぱり故郷が一番」とか勝手なことを言う。東京で頑張っていても、「美しい故郷があるから大丈夫」みたいに言う。あまりに勝手すぎるのではないか。自分たちの故郷が汚されたり、侮辱されたりしたら、どんな気持ちになるか少しは考えて欲しい。
東京に住む人の多くは、戦後流入してきた人たちが多い。東京で生まれたと言っても、両親や祖父母が他の地方出身という場合がかなりあるはず。年末年始やお盆に帰省ラッシュがあるのが、それを物語っている。東京で生まれたけど、「東京人」では無い人たちで、今の東京は形作られているようなもの。江戸の頃からの生粋の東京人は、1割にも満たないのが現状なのである。
私は東京生まれ。もちろん、両親も東京生まれ。先祖の墓は、浅草と六本木。どんなに汚されようとも、どんなに住み難くされようとも、ここが私の故郷です。
東京は素敵な街だよ。歴史が一杯詰まった魅力ある街だよ。うわべの華やかさとは違った、路地裏に佇む、人の暮らしがある地方都市・東京を感じて欲しい。