ひき逃げ

最近、飲酒運転に関する事件・事故の報道が引っ切り無しだが、これに深く関連しているのが「ひき逃げ」。
「ひき逃げ」は道路交通法違反(5年以下の懲役又は50万円以下の罰金)だが、被害者が死亡又は怪我をすれば「業務上過失致死傷罪」が加わり、最高7年6ヶ月の懲役刑となる。しかし、これに飲酒運転が加わると、2001年に新設された「危険運転致死傷罪」(20年以下の懲役)となる場合がある。新設による悪質運転の抑制効果はあったものの、代わりに「ひき逃げ」が急増。これは、「逃げ得」と呼ばれるもので、「危険運転致死傷罪」を食らうよりは、アルコールが抜けてから逮捕されるか、または自首したほうが、刑の軽い「業務上過失致死傷罪」適用となるからである。先日も、19歳の女性が、飲酒運転でひき逃げ事故を起こし逮捕されたが、取調べに対して「酒を飲んだことがバレルのが怖かったから」と、逃げたことに対して言い訳をしたそうだ。昨夜にも、飲酒運転取締りの検問を突破し、警察官に重傷を負わせて逃走するという事件が起こった。これなどは、制止に入った警官を轢くことが分かっていてアクセルを踏み込んでいるので、「ひき逃げ」と言うよりは「殺人未遂」だと思う。
警察庁では、飲酒運転の発覚を恐れて事故現場から逃走するひき逃げ事件が増加していることに対して、「ひき逃げ」自体の罰則を引き上げることを検討している。対応がちょっと遅かったが、「ひき逃げ」の厳罰化は良いことである。
ちなみに、昨年の道路交通法違反検挙数は1223万件で、運転免許保持者が約7700万人なので、7人に1人は何らかの違反を起こしていることになる。なお、速度超過、飲酒運転などの悪質な違反は、このうち470万件と4割近くにもなる。最も悪質な「ひき逃げ」は、約2万件もあった。ただし、これは検挙された数であり、実際にはこの数十倍はあるはず。駐車違反、速度超過などは、日常茶飯事ですからね。
それにしても、マナーの悪い運転手が多いですね。駐車違反、速度超過はもとより、横断歩道に歩行者がいても停まる車などほとんど無い。バスの運転手や、ごく一部の人だけ。なんで歩行者が、車の途切れるのをじっと待たないといけないのか。道交法違反なんですけどね。横断中の歩行者へじりじりと迫ってきて、僅かな隙間で曲がろうとする車にも困ったものだ。そんなに急いでどこにいくのだろう。徒歩の人よりも、圧倒的に早く目的地に着けるのに、なぜそんなに前へ前へと行きたがるのか。この前など、信号の無い横断歩道を渡っていたら、走ってきた車にクラクションを鳴らされた。世も末か。。。
ちょっとしたことで、他人を傷つけたり、殺してしまったりする「車」に乗っていることを、もっと真剣に受け止めて欲しいものである。