LRTとトランジットモール

近年、路面電車復権が話題になっているが、そんな中で、今年4月に開業した富山ライトレール線が好調のようだ。ライトレールとは、Light Rail Transit(LRT)という軽量軌道交通のことで、ヨーロッパでは都市交通手段として定着している。日本では、既存の路面電車線へのLRT車両の導入はあるが、本格的な路線の新設は富山ライトレールが初めて。現在、北海道の札幌から沖縄まで、多くのLRT導入に向けた動きがあり、具体的なルート案まで決まりつつある都市もある。関東では、宇都宮市と豊島区が活発。新宿区や横浜市でも検討が進んでいる。最新の話題は、燃料電池を搭載したLRTの開発に成功したというもので、都市景観や建設費の抑制に期待が高まっています。
このLRT導入とセットで検討されているのが「トランジットモール」。歩行者と自転車の優先道路(ゾーン)であり、LRT・バスなどの公共交通機関のみが通ることが出来る。ヨーロッパを中心に導入されていて、フランスでは11都市、ドイツでは9都市で実施、自動車大国と言われるアメリカでも11都市で導入されているが、日本では群馬の前橋市内と金沢市内の商店街などで、実験的に行われているだけ。ヨーロッパの都市では、歩道とLRTの軌道を一体として整備し、街の活性化に貢献している。車がまったく通らないため、歩行者は安心して買い物などを楽しむことが出来るようになったのです。歩行者天国の24時間通年化のようなもの。
国土交通省道路局も、「自動車で移動するみち」から「歩いて楽しめるみち」への転換が必要として、専用のホームページを設けて取り組み始めている。その中でも、「トランジットモール」導入への支援など、新たな施策の展開が紹介されていて、今後への期待が高まる。