さようなら!ふるさと銀河線

ふるさと銀河線


今夜21時30分。北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の最終列車が北見駅を発車した。平成元年6月4日に開業してから18年足らずの歴史だった。この鉄道の前身は、旧国鉄網走本線で大正元年10月5日(池北線の区間としては明治44年9月25日)に開通し、昭和36年、今と同じ池田〜北見間の池北線と改称された。池田〜北見間開通から95年、100周年目前の廃止となってしまった。
初めて北海道を旅した1988年。友人とのんびり列車の旅を楽しんだのが、当時の池北線だった。置戸駅での停車時間の間、車掌さんと談笑したのが想い出です。そして、最後にして2度目の出会いは、今年3月だった。北見から乗った快速「銀河」は、途中何度も吹雪に遭いながら、2時間20分かけて春の気配を感じる池田へと走った。4月になってからは、名残を惜しむ鉄道ファンや地元の方たちで大変な混雑だったようだが、その時は、ちょうど座席が埋まるくらいでした。
完全な車社会となってしまったこの国では、新幹線や大都市近郊の一部を除いて、もはや鉄道は無用の長物となってしまったかのよう。人が移動するには、早くも無く遅くも無く、景色も存分に眺められる。弁当を食べながらでも良い、心地よい揺れに眠ってしまっても良い、思い思いの姿勢で乗れるのが列車の魅力。旅情豊かな旅には欠かせません。
残念ながら、今年の12月1日にも、岐阜県の猪谷〜奥飛騨温泉口を結ぶ神岡鉄道が廃止となる。さらに、来年7月1日には、宮城県栗駒山の麓を走るくりはら田園鉄道がその歴史に終止符を打ちます。
一度失われた鉄路は、二度と帰ってはこない。