忘れるな。

新しい首相が、所信表明演説の中で「集団的自衛権の行使」を検討すると言うような発言をした。
集団的自衛権は、自国と関係のある第三国が攻撃を受けた場合に、自国が攻撃を受けていないにもかかわらず第三国に対し反撃をする権利とされている。ようするに、アメリカがテロ攻撃を受けた、又は受けることが予想される場合、その加害国とみなされる第三国に対して、アメリカと共同して攻撃を加えることを、日本として当然の権利であると主張すること。そのためには、いかなる武力の行使をも放棄した現憲法を破棄して、武力行使を容認する憲法を作ることも必要となることを、公然と表明したのです。または、現行憲法の解釈を無理やり見直して、「集団的自衛権の行使」を容認できないかを検討することだ。
アジア諸国に災いをもたらし、世界で唯一原爆を落とされた国であり、いかなる戦争をも否定した画期的な憲法を持った国が、自ら今、その戒めを解こうと動き出した。これは、広島の平和記念公園にある原爆慰霊碑の石棺に刻まれた「安らかに眠って下さい/過ちは繰返しませぬから」という誓いを破ると言うこと。「戦争の無い世界」への道を、日本が自ら閉ざすことである。どんな戦争にも、正当性などあるわけが無いのに。
美しい国、日本」だの、イメージ重視の「カタカナ言葉」をちりばめたキャッチフレーズが踊るばかりの演説。かっこよさをばかりで、内容は???。「主張する外交」などと言っているが、中国や韓国、北朝鮮への強い態度だけで、アメリカやロシアに対しては、前首相同様の弱腰になるのは間違いない。
どの国が、ヒロシマナガサキに原爆を落としたのか、歴史を忘れないで欲しい。